テキストサイズ

人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第4章 和食の道

妹の電話から僕の生活は一変した。
妹とはいえ女子高生だ。
自分の部屋は絶対に必要だった。
僕は本当に人に恵まれてるなって思った。
昔の児童養護施設の先生が不動産で働いていたのだ。
その先生を頼りに札幌のど真ん中のマンションを格安で借りることができた
家をでて少し歩くと飲み屋街があった。
歩きなら張り紙をみて探していたら一軒のお店に目が止まった。
落ち着いていて古いお店なのに品格があるただずまいのお店だ。
その壁には張り紙はってあった。
料理人募集。資格、技術問わぬ。
賄いあり。
よし!ここだ!!
僕は賄いあり。というどこにでもありふれた決め文句でここで働くことを決めた。
扉を開ける。
張り紙をみてきたんですけど雇ってくれますか?
礼儀など全く知らない僕はヘラヘラしながら親方となる人に話しかけた。
親方も怒るわけでもなく明日同じ時間に履歴書と面接に相応しい格好できなさい。
そう言ってくれた。
次の日同じ時間に僕はお店にきた。
お店に入り、親方との面接が始まった。
親方「なんでこのお店なんだ?」
僕 「張り紙をみて賄いありだったし、和食の料理人かっこいいなぁって思って。
親方「ただのバイトして入るなら皿洗いが主になるけどそれでもいいか?
僕「いやっ僕は料理も覚えたいんです!料理も覚えてお金も稼ぎたいんです。」
親方「稼ぎたいっていって技術もないやつに高い給料をあげる世界じゃない。それに料理を覚えてこのお店にきたなら俺はお前に厳しくしないといけない。」
僕「厳しいことには慣れてます。我慢強い人間だと思います。お金は夜どこか別の所で働いていいですか?」
この時僕は本当に礼儀知らずで調子者だった。
親方「礼儀もなってない。時間もきちんと守れない。技術もない。それでも稼ぎたい。お前はなんでそんな稼ぎたいんだ?もしここで働くなら住み込みもしていい、ご飯も食べさしてやる。」
そこで僕は自分自身の環境、生い立ちなど全部話した。
そして料理のことに関しては
「妹たちが僕の家で生活するようになったらご飯作ってあげたい。弁当を作ってあげたい。コンビニや外食ですませる生活にはしてほしくないんです。」
そういった。
親方はこう答えた。
「お前の気持ちも生い立ちも分かった。ただこの世界はじめましてのお前に給料はそんなにあげれない。夜出稼ぎで修行できるところを探してやるから寝ずに頑張りなさい。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ