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人から見れば地獄。ただ僕は幸せだ。

第1章 幼少期

僕は家に着いた。
北海道の炭鉱で有名な市で昔の炭鉱団地だ。
リビングに部屋が2つという決して広いとは言えない家だ。
僕は部屋をもらった。自分の部屋だ。
施設の時は、8人部屋だった為、自分の部屋に正直心から喜んだ。
その日は、外食をした。
居酒屋に行き、僕はほっけ焼きとおにぎり。
初めてほっけを食べこんなにも美味しいものがこの世にあるのかと感動したのを覚えてる。
両親は酒を浴びるように呑んでいる。
両親が気持ちよくなってきた時に店をでた。
タクシーに乗り、僕は助手席に座った。
夜も遅く、張り詰めていた緊張の糸も切れ僕は寝てしまう。
「なに寝てんだ!!」
この声と同じ瞬間に椅子が揺れる。
いきなりの衝撃でなにがおきたのか理解ができない。
母親が激怒してる。でもなにに怒っているのか分からない。
言葉もろれつがまわってなくてほとんどが聞き取れない。
タクシーも暴れてる母親を見て車を停めた。
母親はすぐさま車をでて助手席に座ってる僕を引きずり落とす。
この状況に理解が追いつかない僕を母親は殴り始める。「言うことをきけ!大人をなめるな!」
なめてなどいない。なにも言われてない。
そんなのお構いなしに殴り続ける母親。
止める気のない父親。
いったいいつまで殴られればいいのか。
涙と鼻水、口が切れて血があふれる。
息ができない。
タクシーの運転手が必死でとめにはいるが妊婦ってことが見た目でわかるので手荒にできない。
殺される。
そう思ったときに警察がきた。
連絡してくれた運転手は僕の命の恩人だ。
警察は両親に事情聴取する。泣き叫んでる僕はパトカーでなだめられる。
僕は聞かれる。なんで叩かれたの?
知る訳がない。こっちが聞きたい。なぜ僕はこんなになるまで殴られないといけないのか。
僕は知らないうちに誰かを傷つけたのか。
そんなことはない。
母親は言うことを聞かないからの一点張り。
父親は次はちゃんととめるからととりあえずこの場を終わらせたいらしくめんどくさそうにしてる。
事情聴取の終わった警察の人が僕に信じられない言葉を投げかける。
「これからはちゃんと親の言うことを聞くんだよ。じゃぁお家に帰りな。」
えっ家に帰るの?こんなに殴られたのにあの人たちと一緒にいないといけないの?
どんなになにを思おうが関係ない。僕は家に帰らないといけない。
また同じタクシーに乗り、家に帰ることとなる。

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