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君がスキ

第2章 ホントのキモチ

翔「潤、あのさ…」

潤「ん?」

翔「…やっぱ何でもない!」

明るく笑って、言いかけた言葉を飲み込む。お前の気持ちが知りたいなんて、聞けるわけない。

潤「なんだよ笑」

本当、なんなんだろうな。
俺だって、男を好きになったことなんてない。
今もちょっと信じられない。
俺が男をこんなに好きになるなんて。

そうやって考えていたとき。
プルルルル…。
潤のスマホが鳴った。

潤「あ、にの?どしたの?え?もう授業始まってる⁉うそ⁉」

あわてて時計を見る。もうとっくに授業が始まってる時間だった。
やべ。今日の一限木村の授業だ。

潤「ごめんね、気づかなくて!」

準備をしながら潤がいう。

翔「いや、全然!てか、潤の一限の先生誰⁉」

潤「大野先生!」

あ、大野先生か。あの人は優しいから許してくれるだろう。
でも、木村は許してくれるかなあ。
考えながらも慌ただしく手を動かす。

翔「行こう!」

潤「うん!」

翔「あ、そういえばお前、そんな荷物少なくて大丈夫⁉」

走って学校に向かいながら潤に尋ねる。
やけに荷物が少ないと思っていたのだ。

潤「置き勉してるから大丈夫!!!」

そうか、ならよかった。

下駄箱で慌ただしく靴を履き替えて、階段を駆け上る。
クラスの入り口で潤と別れた。


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