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千絵が実家に帰り、誰もいなくなったアパートへ戻った。隼人もいない、なんだか寂しかった。

靴箱の中に隼人の小さい時に履いていた靴を見つけた。。
冷蔵庫に千絵の好きだった銘柄のチーズを見つけた。

３人で暮らしていた時間がとても幸せだったな・・・と今になって切なく感じられた。

離婚をしないでこのまま生活できなかったのかという思いと、彩を手放したくないという思い。
自分を責めても答えが出ず、気持ちだけが落ちて行った。

その時電話が鳴った。和成からだった。

「悠、大丈夫か？お前、落ち込んでんじゃない？フライングしてあの可愛い子と仲良くなっちゃったお前も悪いが、千絵ちゃんも悪い。お互いさまなんだよ。」
「・・・そうだな・・・」

「お前なぁ、そんなに離婚したことを後悔してるならあの可愛い子俺がもらっちまうからな。」
「何言ってんだよ。お前はそんなことしないだろ。」

「いや。わからないぜ。お前が千絵ちゃんを惜しんでる事をあの子に伝えたら・・・」
「バカか。やめろ。」

「ははっ。怒鳴る元気が出ればいいや。今度飯食いに行こうぜ。和成サマが慰めてあ・げ・る❤（笑）」
「うげっ。気持ちだけいただいとくわ。」

「ま、じゃあそのうちな。」

和成の優しさに感謝をして電話を切った。