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「山崎さん。お待たせしました。・・・え？」

やっと到着した彩は俺の顔を見るなり固まってしまった。

「石井も一緒なんだよ。石井の隣に座りな。マスター、ウーロン茶。」
「お隣失礼します。」

カウンター席に座っていた俺の隣に彩がそっと座った。
ふわりといい香りがして胸が高鳴った。

「こいつ、嫁と喧嘩したらしいぞ。ひどい顔してるだろ。笑っていいぞ。」
「えっ・・・早く仲直りできるといいですね。」
「・・・そうだな。」

別に俺のことはどうでもいい。こんな話彩に聞かれたくなかった。

「おっと、電話。カミさんからだ。ちょっと席外すな。」

山崎さんは席を離れ、外に出て行った。

「なあ、彩。俺、この前・・・」
「えっ。あ、あの・・・あの日、迷惑かけてしまってすみませんでした。」

「迷惑？かかってないけど？むしろ俺の方が嫌な思いさせて悪かった。ずっと店の中でも俺の事避けてただろ。」
「あの・・・それは・・・ごめんなさい。奥さんに申し訳なくて。本当にすみません。私のことが原因で喧嘩されたんですよね。」

「いや、違うんだ。彩が気にすることはない。そうだ。おまえの連絡先をいつも聞きはぐるんだよ。教えてくれ。」
「でも・・・」

「俺、山崎さんに女の子の管理任されているから。」
「そうなんですね。じゃあ」

そういって携帯を取り出し、俺はやっと彩の連絡先を手に入れた。

久しぶりに目を合わせて話ができて単純にうれしかった。