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社長と私

第1章 応接室での情事

「疲れただろう、ほい」

社用車に乗り込むと缶コーヒーを私に手渡した

無言で缶コーヒーを飲んでいると、先ほどの精液の味が流れて行った

私はもう普通のセックスではいけなくなってしまっていて、何が普通かも分からないのだが、社長がもたらす刺激は私を中毒にしていた

「あー僕だけど、下村さんが体調崩して家まで直帰させるから、宜しく、はい、お願いねー」

電話を切り終えると、社長は私に向かって無言でにやりと笑った

しばらく車を走らせるとインター近くのラブホテルへと入っていった

萎びているが、平日の昼間なのに部屋は半分以上埋まっていた

社長はジャグジーが付いている部屋を選ぶと、無言で部屋へと向かった

私もなんだか負けな気がしてしゃべらずに着いて行った

社長はジャグジーにお湯を張りだした

私はテレビをつけて、映し出されるAVを呆然と眺めていた

大きな喘ぎ声が部屋に流れた

「こういうの下村さんは見ないだろう」

「…前は見たりしたこともあったんですが…今はもう見ないですね…」

社長と関係を持つ前はAVを見て興奮してオナニー出来ていたのだが、妄想よりも現実のほうが刺激が強すぎるとAVを見ても濡れなくなってしまったのだ

私はもう以前のような生活には戻れないと気づいたとき、社長を失うのが怖くなり人知れず泣いたのだった

「加藤の親父…よだれ垂らしながらしこってたなぁ…きっと来年も下村さんに会いたいって言ってくるだろうな」

社長はひとりごちながら私の服を丁寧に脱がしていった

出産して崩れた体型を初めて社長の前で晒したとき、私はひどく嫌がった

萎んでしまった胸に、妊娠線が出来てしまったお腹、広がった骨盤にぽっこり出ているお腹、それらを人前に出すのはみっともないと思っていたのだ

しかし社長は

「美しいじゃないか、まるでゴヤの絵画に出てくる悩ましい女性そのものだ…君が妊婦だったときを見れなくて残念だよ」

と言いながら妊娠線を舌先で舐めたのだ

あのときの痺れるような感覚を忘れることが出来ず、社長の言うままに身体を捧げたのだった

初めて抱かれたときのことを思い出していると

「さぁせっかくだから一緒に入ろう、今日は僕が綺麗にしてやる」

裸になった私を連れて、ジャグジーへと向かった

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