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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第133章 小さなヒーロー



宇髄「ひなちゃんごめんな、ちょっと診るぞ。」



「ゔっ!あ"っ……!!!」




処置室に着くと、すぐに内診をされて、




「ハァ、ハァ……っづ、……」




経腟エコーも経腹エコーもされて、




五条「ひな…!」




そうこうしているうちに、誰から聞いて駆けつけたのか、悠仁さんが処置室に。




「っ、ゔっ……悠仁さ……」



五条「先生、ひなと腹の子は!?」



宇髄「落ち着け。今診てるから。」




言いながら、プローブをお腹に押し当てて、モニターを真剣に見る宇髄先生。




「悠仁さん……ごめんなさい…っ。わたしが無茶したから…ハァハァ、悠仁さんの言うこと聞かずに…、うっ…、仕事したからっ……ぁゔ、くっ…」




いつの間にか付けられた酸素マスクを外して言うと、




「そんなこといいから!大丈夫だから、な?」




悠仁さんにまたマスクを付けられる。




「ハァハァ……ゔっ……」



「ひなっ…。」




わたしの手を握る、いや、握り締める悠仁さんの手。

びっくりするくらいの力なのに、とても繊細な震えを感じる。




宇髄「ひなちゃん。赤ちゃんは大丈夫だ。」




エコーを置いた宇髄先生が、グローブを外しながら明るい声を。




宇髄「ひなちゃんのお腹に一生懸命しがみついてくれてる。まだちゃんとお腹にいるぞ。ただ、子宮収縮が起こって、子宮頸管もかなり短い。切迫早産の状態だから、処置して様子見ような。今から手術するから、もうちょっとだけ頑張ろう。」




そう言って、宇髄先生は新しいグローブをはめて、わたしは静脈麻酔で眠りにつき、緊急の子宮頚管縫縮術が行われた。


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