ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第70章 嘘と隠し事
五条「いつからって聞いてるだろ。返事せんか。」
ビクッ…
五条先生の低い声…
優しい五条先生が続いてて、この人が鬼であることをすっかり忘れてた。
鬼レベル…4.5だ。
「その…だいぶ前から…」
五条「だからそれいつだ。俺は今日までに3回生理来たって聞いたんだがな。お前がぶっ倒れた日と、2ヶ月ほど前と、修学旅行のすぐ後と。どれが嘘だ、どっから嘘ついてた。」
あっ…
ここで、先生たちの怒りが半端ではないことにも気づいた。
これまでの嘘も全部バレてるんだって…
「ごめんなさい…」
五条「ということは、全部嘘だな…?」
「……。」
宇髄「もちろん嘘だよな。でなきゃ、そんなパンパンな腹になってないもんな。」
あぁ…終わった…
生理の嘘は、このお腹を隠すためだったってことも全部バレてる。
今回はICUにいる間、ずっと工藤先生がみてくれてた。
いつもなら、特にICUに入ったら、先生たちが嫌というほど代わる代わる来るのに、どうして工藤先生だけなんだろうって。
主治医の藤堂先生も来なきゃ、担当医の宇髄先生も来ない。そして、五条先生も来てくれない。
って、朦朧とする意識の中でずっと思ってた。
その理由はわたしのせいだったんだ。
わたしに呆れて怒ってたから、3人とも一度も来てくれなかったんだ。
あぁ、今すぐここから消えてしまいたい…
返事ができない代わりに、目に溜め込んでた大粒の涙をこぼした。