ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第74章 ぶどうジュース事件
「なに考えてんだ!!なんで飲んだんだ!!!」
息つく間もなく取り調べがスタート。
ついさっき酔っ払って抱きついてきた人とは思えないほど、めちゃくちゃはっきりとした意識で怒鳴る五条先生。
「ぁぁぁ、ぁの、ぶ、ぶどうジュースかと思って…」
「馬鹿か!!どっからどう見てもワインだろ!!ワイングラスに入ってただろが!!」
えぇ!!?そうなの!?
「で、でも、おしゃれなレストランはあんなグラスでジュース出てくる…」
「ここは店じゃない!!だいたい、お前はりんごかオレンジしか飲まんだろ!ぶどうなんか飲んだことないもんどうして突然飲むんだ!!匂いでも酒だってすぐわかるだろ!!」
そんなこと言われても…
「わ、わかんなかった…」
「はぁ…ったくお前はもう…、勘弁してくれ…」
一瞬で酔いなんて覚めるもんなのか、五条先生はすっかり医者の顔。
そして、他の先生たちもお酒なんて飲んでなかったみたいに、みんな医者の顔になってしまった。
五条先生はおでこに手を当て、神崎先生は手首を掴んで脈を取る。
「今どんな感じする?気持ち悪いか?クラクラするか?」
神崎「ひなちゃん、どのくらい飲んだの?」
「ぇ、えっと…」
工藤「夏樹ー!ひなちゃんどのくらい飲んでた?」
夏樹「見てなかったけど2口くらいだと思う!ゴクゴクって2回喉鳴らしてた!」
宇髄「2口か…。微妙だな、ワインだからな。」
藤堂「ひなちゃん、お水飲もう。なるべくたくさん飲むよ。飲めるだけ飲んで。」
「は、はぃ…」
先生たちに囲まれて、いろいろ質問されて、水をガブガブ飲まされて。
間違えてほんのちょっと飲んじゃっただけなのに何がなんだか。