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ドSな兄と暮らしています

第7章 ふたりのこれから 〜最終章〜

今日、やっぱり怖かったな……
目を閉じると、男の顔が浮かびそうで、すぐに目を開けた。
もし、あの時兄ちゃんが来なかったら……と考える。今頃どうなってたか……怖すぎて少しだけ涙が出た。

「まだまだ子どもだなぁ。慰めてやらないと泣き止まない」

兄ちゃんも、私と同じく、昔のことを考えていたようだった。

表情は見なくても、空気だけでふわっと笑う気配が伝わった。

優しく、頭を撫でる。


……あの男に触られずに、兄ちゃんに触られてよかった。


ホッと息をつくと、少しずつ涙が引いてきた。
一定になった兄ちゃんの呼吸に、私も合わせて息をする。

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