ドSな兄と暮らしています
第7章 ふたりのこれから 〜最終章〜
4
兄ちゃんは、私を仰向けにすると、私の上に跨った。恥ずかしくて、目が合わせられずに襖の方に顔を逸らす。
呼吸が、少し浅くなっていた。
「こっち向いて」
そう言われて、恐る恐る首を正面に向ける。
私いま、どんな顔してるんだろう……
強ばっていないかな。
兄ちゃんとこうなること、怖くないのに、緊張しているから。
兄ちゃんと目を合わせる。微笑みながら、私を見下ろす。
「緊張してるね。でも怖くはしない」
兄ちゃんには何でもお見通しだ。
「大丈夫、力抜いて」
そっと、兄ちゃんの右手が私の髪の毛に触れる。
その優しい仕草に、溶かされてしまいそうになる。
恥ずかしくて目を瞑ると、不意に唇に柔らかいものが触れて、離れた。
それが……兄ちゃんとの初めてのキスだった。
キスって、こんなに、ふわっと優しいものなんだ。
唇を重ねた実感が後からついてきて、体の全体に熱いものが湧き上がって、流れる。
「……柔らかいね」
兄ちゃんがゆっくりと味わうように、2度目のキスを重ねる。
私は気分がふわふわして、熱があるときみたいに頭が回らなくなっていた。
「もっと…」
もっと唇を重ねていたい。
無意識にそう思って、口に出していた。
兄ちゃんはそんな私を一瞬驚いたように見て、意地悪な笑顔を見せる。
「ふーん、煽り方知ってんだね」
「ちがっ……」
恥ずかしくなって、否定しようとする。
その言葉も、吸い取るように兄ちゃんは覆い被さってくる。
私の唇の動きを静止するように、唇を何度も重ねた。
「違わない」
それは回を重ねる毎に激しいものになっていく。
私の唇を咥えるように口づける。
兄ちゃんはキスをしながら吐息を漏らすように言った。
「口開けて」
兄ちゃんとの歯磨きの時によく聞く言葉なのに、
今日は……今日だけは、言葉の質が全然違う。
兄ちゃんの唇の動きが色っぽくて見とれていた。
私はそれに従う。従わざるを得なかった。
小さく開けた唇の隙間から、兄ちゃんの舌が入り込む。
私の舌はいとも簡単に絡めとられた。
唇を重ねる音が、部屋に響く。
静寂の中では、音の何もかもが大きい。
「んんっ…んぁ……は…はぁはぁ」
上手く息ができなくて、少し苦しくなって、声が漏れる。
苦しいのに、凄く幸せな気持ちになってしまう自分がいた。みぞおちの辺りがキュッと締まる。
兄ちゃんは、私を仰向けにすると、私の上に跨った。恥ずかしくて、目が合わせられずに襖の方に顔を逸らす。
呼吸が、少し浅くなっていた。
「こっち向いて」
そう言われて、恐る恐る首を正面に向ける。
私いま、どんな顔してるんだろう……
強ばっていないかな。
兄ちゃんとこうなること、怖くないのに、緊張しているから。
兄ちゃんと目を合わせる。微笑みながら、私を見下ろす。
「緊張してるね。でも怖くはしない」
兄ちゃんには何でもお見通しだ。
「大丈夫、力抜いて」
そっと、兄ちゃんの右手が私の髪の毛に触れる。
その優しい仕草に、溶かされてしまいそうになる。
恥ずかしくて目を瞑ると、不意に唇に柔らかいものが触れて、離れた。
それが……兄ちゃんとの初めてのキスだった。
キスって、こんなに、ふわっと優しいものなんだ。
唇を重ねた実感が後からついてきて、体の全体に熱いものが湧き上がって、流れる。
「……柔らかいね」
兄ちゃんがゆっくりと味わうように、2度目のキスを重ねる。
私は気分がふわふわして、熱があるときみたいに頭が回らなくなっていた。
「もっと…」
もっと唇を重ねていたい。
無意識にそう思って、口に出していた。
兄ちゃんはそんな私を一瞬驚いたように見て、意地悪な笑顔を見せる。
「ふーん、煽り方知ってんだね」
「ちがっ……」
恥ずかしくなって、否定しようとする。
その言葉も、吸い取るように兄ちゃんは覆い被さってくる。
私の唇の動きを静止するように、唇を何度も重ねた。
「違わない」
それは回を重ねる毎に激しいものになっていく。
私の唇を咥えるように口づける。
兄ちゃんはキスをしながら吐息を漏らすように言った。
「口開けて」
兄ちゃんとの歯磨きの時によく聞く言葉なのに、
今日は……今日だけは、言葉の質が全然違う。
兄ちゃんの唇の動きが色っぽくて見とれていた。
私はそれに従う。従わざるを得なかった。
小さく開けた唇の隙間から、兄ちゃんの舌が入り込む。
私の舌はいとも簡単に絡めとられた。
唇を重ねる音が、部屋に響く。
静寂の中では、音の何もかもが大きい。
「んんっ…んぁ……は…はぁはぁ」
上手く息ができなくて、少し苦しくなって、声が漏れる。
苦しいのに、凄く幸せな気持ちになってしまう自分がいた。みぞおちの辺りがキュッと締まる。