ドSな兄と暮らしています
第7章 ふたりのこれから 〜最終章〜
恥ずかしくて、毛布を身にまとったまま、ごろごろ転がって布団から転がりでると、すぐ隣にあった襖にぶつかった。
図らずも、兄ちゃんから毛布を剥ぎ取る形になってしまった。
「ねぇ〜、何してんの? 俺寒いんだけど」
抑えきれずに、兄ちゃんは吹き出した。
兄ちゃんもごろごろとこっちに近づいて来て、布団からはみ出る。
ミノムシみたいになった私を、布団ごとぎゅっと抱きしめた。
私はくすぐったくて笑っていたけれど、
ん? 待って……! 身動きが取れない!
そう思った時には、唇が重なっていた。
兄ちゃんが、私に唇を重ねていたのだった。
兄ちゃんのイタズラっぽい笑顔が目の前にある。
柔らかくて色っぽい唇に、この笑顔……。
ーー反則だよ……。
昨日と同じ唇に、みぞおちの辺りがキュッと縮むような思いがした。
「これで満足?」
耳元で囁かれて、真っ赤になる。
それをみた兄ちゃんは、ニヤニヤしていた。
でも、無意識に1回じゃ足りないと思っていた。
私は、兄ちゃんから目を逸らしたまま、
「もう1回して」
と呟くようにお願いしていた。