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ドSな兄と暮らしています

第7章 ふたりのこれから 〜最終章〜

兄ちゃんは心なしか、さっきより真剣な目で私を見つめて、もう一度だけゆっくりと唇を重ねた。

でも今度は兄ちゃんの方が、『もうこれで終わり』とでも言うように、私から顔を逸らす。

「……汐夏、俺が何のために服着せたと思ってんの!」

わからなかったので、黙り込む。

それと同時に、やっぱり昨日のあれは夢じゃなかったんだと思い知らされる。

「俺は、2回目しようと思えばできるけど、汐夏の気持ちをきちんと確かめたかった。だから、起きた時、暴走しないように服着せたの、わかる?」

昨日の感覚を思い出して、恥ずかしくてお腹の底がひくつく。
兄ちゃんはやっぱり、どこまでいっても私のことを考えてくれているようだった。
愛されて、大切にされているということが、痛いほど伝わる。

「今日はしないけれど!! 次から絶対に我慢できなくなる。止めてって言っても止めないからな」

兄ちゃんに、ポカッと頭に軽くげんこつが落とされる。

止めないって、どうなっちゃうのかな……
昨日よりもっと掻き回されちゃうってこと?
想像したら、少し興奮しそうになって、慌てて考えを打ち消した。
まずい、私、昨日の一件で脳の回路がえっちなことに直結しやすくなってる……。

「……ごめんなさい」

煽っているわけではない。
だけれど兄ちゃんにもっと触れたいという気持ちが、結果として兄ちゃんを悩ませていることに間違いはなかった。

「汐夏、かわいいんだから、無自覚にんなこと言われたら手を出さずにいられないの。俺も男なんだぞ。理性は湧いて出てくるようなもんじゃないんだからな」

さらっと言われた『かわいい』という言葉をしっかりとくらってしまっていた。

私、兄ちゃんから妹じゃなくて、ちゃんと女としても見られてるってことなんだ……。

顔がボワッと熱くなる。
ちゃんと恋人みたいで恥ずかしい。

「わかったら、シャワー浴びてきな」

兄ちゃんは、私の頭をポンポンと撫でる。きっと、兄ちゃんは私が赤くなったことにまだ気づいていない。

「うん……」

頷いて布団に潜り込んで、顔の赤みが引くのを待った。

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