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先生、出ちゃうよ

第17章 由奈の退行

食事が終わった後、成瀬先生は私に他に行きたいところはないか聞いた。

由奈「先生、海行きたい!」

私がそういうと、先生は

成瀬「分かった。」

と海に向かって車を出してくれた。

海に着くとちょうど日が落ちかけていて気持ちが良かった。

私は砂浜を走った。海に向かって走った。

成瀬「由奈!あんまりはしゃぐなよ?笑」

そういう先生の手を取り砂浜を一緒に走る。

成瀬「由奈〜笑笑 俺はいいってば」

口ではそう言いながら先生も楽しそうだった。

しばらく一緒に遊んだ後先生が買ってきてくれた飲み物をビーチの近くの石畳の階段に座って2人で飲んだ。

成瀬「海、綺麗だな、、。きてよかった、、。」

由奈「うん、、ほんと、きてよかった、、。」

穏やかな時間が2人の間に流れる。

由奈「せんせ?」

成瀬「ん?」

由奈「あのさ、これから由奈辛い治療するんだよね?だから今日遊びに連れてきてくれたの?」

私は薄々気づいていたことを聞いてみた。

成瀬「由奈、、、そうだよ、、、、。これからまた新しい治療が始まる。今までよりも辛いかもしれない。」

ふと隣を見ると成瀬先生は泣いていた。
男の大人の人が泣いているのを初めてみた。

由奈「せんせ?大丈夫?」

成瀬「うん、、ごめん、、でも、今日、由奈とご飯食べて海に来たのは治療頑張らせるための作戦ではないよ、、、。俺が由奈を好きだから。それだけは勘違いしないで欲しい。」

そういうと先生は私を抱きしめ優しくキスをした。

幸せだった。今までで1番幸せだった。

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