不倫研究サークル
第2章 人妻の誘惑
(はあ~、僕のキャンパスライフが・・・・・・。何か間違った方向へ進んでいく気がする)
不安を覚えながら、先輩の指示に従って後片付けを手伝い、片付けを終えた頃には18時を少し回っていた。
「よし、忘れ物はないか?では、いざ出陣だ」
田沼が号令をかけ、他のメンバーはそれに続いた。僕も先輩3人の後ろからついていく。
もう、どうにでもなれと半ばやけくそ気味だった。
他のサークルも、この後に新入生の歓迎会でもやるのか、楽しそうな声があちこちから聞こえてくる。僕は、早々と本流から外れていったのだと自覚した。
大学から新宿までは電車を乗り換えなしで行ける。なんなら歩いても行けるのだが、今日の移動は電車だ。まだ地理に疎い僕は、先輩の後を必死でついていった。
このままバックレてしまおうかとも思ったが、声をかけてくれた先輩に申し訳ない気がして踏みとどまる。
辞めようと思えば、いつでも辞められるさ、僕は楽観していた。
そこそこに混雑した電車に揺られ、新宿駅に着いたが、足早に移動する人の流れに、目が回りそうになる。
ここでも先輩を見失わないように必死でついていく。
まるでダンジョンのような地下通路を右へ左へと縫うように進みながら、ようやく地上に出ると、田沼が『あ、いたいた』とひとりのスーツ姿の男性のもとへよ歩み寄っていった。
「高橋さん、すみません、待ちましたか?」
「おう、田沼。俺も今来たところだ」
高橋と呼ばれたスーツ男は、見たところサラリーマンのようだ。切れ長の目に知性を感じる。
「お、知らない顔があるな。新入生か? 今年は獲得できたんだな」
「はい、我がサークル期待の大型新人です」
「高橋だ。田沼の2つ上で、今は広告代理店に勤めている」
「森岡圭、経済学部です」
簡単に挨拶を交わすと、高橋は、圭を値踏みするかのような視線を送ったかと思うと、穏やかに微笑んだ。
不安を覚えながら、先輩の指示に従って後片付けを手伝い、片付けを終えた頃には18時を少し回っていた。
「よし、忘れ物はないか?では、いざ出陣だ」
田沼が号令をかけ、他のメンバーはそれに続いた。僕も先輩3人の後ろからついていく。
もう、どうにでもなれと半ばやけくそ気味だった。
他のサークルも、この後に新入生の歓迎会でもやるのか、楽しそうな声があちこちから聞こえてくる。僕は、早々と本流から外れていったのだと自覚した。
大学から新宿までは電車を乗り換えなしで行ける。なんなら歩いても行けるのだが、今日の移動は電車だ。まだ地理に疎い僕は、先輩の後を必死でついていった。
このままバックレてしまおうかとも思ったが、声をかけてくれた先輩に申し訳ない気がして踏みとどまる。
辞めようと思えば、いつでも辞められるさ、僕は楽観していた。
そこそこに混雑した電車に揺られ、新宿駅に着いたが、足早に移動する人の流れに、目が回りそうになる。
ここでも先輩を見失わないように必死でついていく。
まるでダンジョンのような地下通路を右へ左へと縫うように進みながら、ようやく地上に出ると、田沼が『あ、いたいた』とひとりのスーツ姿の男性のもとへよ歩み寄っていった。
「高橋さん、すみません、待ちましたか?」
「おう、田沼。俺も今来たところだ」
高橋と呼ばれたスーツ男は、見たところサラリーマンのようだ。切れ長の目に知性を感じる。
「お、知らない顔があるな。新入生か? 今年は獲得できたんだな」
「はい、我がサークル期待の大型新人です」
「高橋だ。田沼の2つ上で、今は広告代理店に勤めている」
「森岡圭、経済学部です」
簡単に挨拶を交わすと、高橋は、圭を値踏みするかのような視線を送ったかと思うと、穏やかに微笑んだ。