不倫研究サークル
第6章 一触即発
ーー次の土曜日。
僕は、陽菜の家庭教師をしていた。
先週のデート、小梢は僕の告白を断った。
断られる少し前まで、僕はイケると思っていたが、あの悲しい目を見た瞬間に失敗すると直感した。
あの時のシーンが、今でもフラッシュバックのように蘇る。
◆◆◆
「ごめんなさい。わたしから無理に付き合わせているのに、こんなこと言うなんて勝手だと分かっているの。でも……」
小梢は、僕から目をそらすと、うつむいてポツリポツリと話し始めた。
「本当にごめんなさい。自分でもどうして良いか分からないの」
なんと反応して良いか、僕には分からなかった。
小梢は、顔を上げると、また大きな瞳で僕を見据える。が……。
その瞳からはポロポロと涙がこぼれ落ちていた。
(?)
またも不可解な状況に、僕の思考は停止する。
「わたしも圭君の事が、ずっと好きだった。でも、少し考えさせて欲しいの」
「だから、もう少し、このままの関係でいさせて欲しい……」
僕には、これ以上何も言えない。現状維持なら、御の字のような気がした。
「うん、僕も、このままでも、小梢が傍にいてくれるなら、このままでも……良いよ」
「ありがとう圭君。好き……」
小梢は、そう言うと僕に抱きついてきた。
好きなのに付き合えない……。モヤモヤした気分だけが残った。
◆◆◆
「圭」
「圭」
「圭」
「圭!」
「ん? ああ、どうした? 陽菜」
「どうしたじゃないわよ、ちゃんと集中してよ!」
僕は、陽菜の家庭教師をしていた。
先週のデート、小梢は僕の告白を断った。
断られる少し前まで、僕はイケると思っていたが、あの悲しい目を見た瞬間に失敗すると直感した。
あの時のシーンが、今でもフラッシュバックのように蘇る。
◆◆◆
「ごめんなさい。わたしから無理に付き合わせているのに、こんなこと言うなんて勝手だと分かっているの。でも……」
小梢は、僕から目をそらすと、うつむいてポツリポツリと話し始めた。
「本当にごめんなさい。自分でもどうして良いか分からないの」
なんと反応して良いか、僕には分からなかった。
小梢は、顔を上げると、また大きな瞳で僕を見据える。が……。
その瞳からはポロポロと涙がこぼれ落ちていた。
(?)
またも不可解な状況に、僕の思考は停止する。
「わたしも圭君の事が、ずっと好きだった。でも、少し考えさせて欲しいの」
「だから、もう少し、このままの関係でいさせて欲しい……」
僕には、これ以上何も言えない。現状維持なら、御の字のような気がした。
「うん、僕も、このままでも、小梢が傍にいてくれるなら、このままでも……良いよ」
「ありがとう圭君。好き……」
小梢は、そう言うと僕に抱きついてきた。
好きなのに付き合えない……。モヤモヤした気分だけが残った。
◆◆◆
「圭」
「圭」
「圭」
「圭!」
「ん? ああ、どうした? 陽菜」
「どうしたじゃないわよ、ちゃんと集中してよ!」