
となりのにぃに
第17章 バレンタインは誰のもの?
今日は一段と寒い。曇り空だし厚着で学校へ向かった。
色めき立った教室内。どこなく甘い香りまでしてくるよ。今日だけは先生も気付かないふりしてくれるんだ。
「みり、おはよー」
「おはよー、早いね」
「うん! さっきさ、渡辺にチョコ渡したんだ! 廊下で渡したかったから早起きして待ってたの!」
「そうなのー!? で、どうだった?」
「ありがとうって笑って受け取ってもらえたー! 嬉しかったなぁ」
「そっかぁ、良かったね! 私もね、敬人… あ、幼なじみに朝渡したよ。美味しいって言ってもらえた!」
「やったねー! 2人とも大成功じゃん!」
私たちは両手でハイタッチをして喜びを分かち合った。
「はよー」
あくびをしながら教室に入ってきたのは中村くん。
ドキンっ
一瞬心臓が高鳴った。なんで?
「おはよ、中村くん」
「あぁ、おはよ」
チラッとだけこっちを見て、すぐにそっぽを向いて教科書をしまいはじめた。
放課後渡すのがいいよね…。今は教室が騒がしいし…
「あのね、中村くん! 今日の放課後少しだけ教室に残っていてくれない?」
うつむく横顔に声をかけたら、一瞬動きが止まって、ゆっくり顔が上げられた。
「それ、今日じゃないとダメなの?」
「あ… できれば今日がいいんだけど、早く帰らなきゃいけない用事ある?」
「別に… わーった、用が終わったらすぐ帰んからな」
「うん… ありがとう」
今日の中村くん、機嫌悪いの? すごく態度も表情も冷たい気がする。
少し開いていた窓から冷たい風が吹き込んで、身も心も冷たいと感じた朝。
色めき立った教室内。どこなく甘い香りまでしてくるよ。今日だけは先生も気付かないふりしてくれるんだ。
「みり、おはよー」
「おはよー、早いね」
「うん! さっきさ、渡辺にチョコ渡したんだ! 廊下で渡したかったから早起きして待ってたの!」
「そうなのー!? で、どうだった?」
「ありがとうって笑って受け取ってもらえたー! 嬉しかったなぁ」
「そっかぁ、良かったね! 私もね、敬人… あ、幼なじみに朝渡したよ。美味しいって言ってもらえた!」
「やったねー! 2人とも大成功じゃん!」
私たちは両手でハイタッチをして喜びを分かち合った。
「はよー」
あくびをしながら教室に入ってきたのは中村くん。
ドキンっ
一瞬心臓が高鳴った。なんで?
「おはよ、中村くん」
「あぁ、おはよ」
チラッとだけこっちを見て、すぐにそっぽを向いて教科書をしまいはじめた。
放課後渡すのがいいよね…。今は教室が騒がしいし…
「あのね、中村くん! 今日の放課後少しだけ教室に残っていてくれない?」
うつむく横顔に声をかけたら、一瞬動きが止まって、ゆっくり顔が上げられた。
「それ、今日じゃないとダメなの?」
「あ… できれば今日がいいんだけど、早く帰らなきゃいけない用事ある?」
「別に… わーった、用が終わったらすぐ帰んからな」
「うん… ありがとう」
今日の中村くん、機嫌悪いの? すごく態度も表情も冷たい気がする。
少し開いていた窓から冷たい風が吹き込んで、身も心も冷たいと感じた朝。
