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天空のアルカディア

第3章 反乱

「ライとあまり話が出来なかった事ですよぉ~」


「っ!?」


顔が引きつり、カップを手に持ったまま固まる


ここ2日、ずっと心残りだった事をズバリ言い当てられて焦っているようだ


「やっぱり。ライって無愛想だけど、その辺の貴族達よりよっぽど格好いいですもんね」


虚空を見つめため息をつくターナ


ーーーそんな事はないーーー


マリアも最初はそう思っていた


でも知った


初日の夜


彼の優しさを


だから同意出来なかったし、あの夜の事を言うつもりもなかった


ターナはマリアがライに好意を寄せていると勘違いしている


そんな時にあの夜の事を話せば益々そう思うだろう


「確かに気になってはいますが、それは友愛の情からです」


嘘ではなかった


マリアが気兼ねなく話せる人は少ない


孤独ではない、むしろ宮中では毎日人に囲まれていた


だけどそれはマリアが王族だから


取り入ろうと近づく者、または必要以上に世話を焼く者


マリアを〔エトルリア王族〕としてではなく、1人の女の子として接してくれるのは亡くなった両親とターナだけ


そんな人がまた1人できるかもしれない


残念に思うのは必然だろう






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