テキストサイズ

天空のアルカディア

第4章 誓い

「ターナ!」


マリアの悲痛の叫びにターナは後ろを振り返る


影の槍はそのまま…


『ライト!』


瞬間、ターナを中心に直視出来ない程の光が満ちた


恐る恐るマリアはターナの背を、ターナは自分の背を見る


影の槍は消えていた


「そういえばもう1人いましたね」


司祭は忌々し気に魔法を唱えた者を見る


「「ライ(さん)!」」


「すまない、少し遅れた」


司祭を見据えたまま声をかけるライ


2人は睨み合いながら沈黙し、ふいに司祭が「クックック」と笑い出した


「舐められたものですねぇ。司祭である私に一介のハンター風情がたてつくとは…」


司祭となるには『徳』と『高い魔力』を持つ事が前提である為、高位魔導師と同列なのだ


名もないハンターが勝てる筈もない


「マリア」


「は、はい!」


ライに初めて名を呼ばれ、挙動不審になるマリア


「ここを出るんだな?」


「はい…」


「分かった、2人共下がってくれ」


マリアとターナは小走りでライの後ろに回った


2人には先ほど感じた恐怖はもう消えていた


たった3日の付き合いだが、彼女等は彼に全幅の信頼を寄せていた


=====彼なら大丈夫


彼女等は申し合わせたように顔を見合わせ、同時に頷いた



ストーリーメニュー

TOPTOPへ