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天空のアルカディア

第4章 誓い

「クックック、サモンなんてモノと一緒にしないでもらいたいですね」


司祭は口元に指を当て笑った


その間に六芒星からは赤黒い手、2本の角を持った頭、コウモリの様な翼をもつ胴体をもつヒトに似て非なる生物が現れた


「あ、あれは…な、なんなのですか…?」


「クフフ…まぁ驚くのも無理はありませんね」


「魔族…禁術に手を出したのか」


ギリッ


ライは歯軋りをしながら司祭を睨む


「禁術?それがなんだというのですか…どのような手段を用いろうが、最後に立っている者が正義なのですよ」


そう言いながら司祭は片手を水平にあげ、ライ達に向けた


「さぁインプ、あの2人を滅ぼしなさい。赤い髪の女は残してね…」


瞬間、魔族(インプ)は姿を消し、ライの背後に突然現れ鋭利な爪を振りかぶる


「!?ちっ…」


体をずらし、背中を向けたまま向けられた腕を脇に抱える


ゴキン


「キィィィィィ!」


そのまま腕を折るとインプは耳障りな高音の叫び声を上げる


『フレイム!』


意識を前に向けると司祭が魔法を放ち、炎の渦が真っ直ぐ襲いかかる


避けるのは容易い


だが、彼の後ろにはマリア達がいる


「っ…はぁぁ!」


背後にいるインプを自分の横から回し、渦に投げつける


「キィィィィィ!」


インプは渦に巻き込まれるが、勢いは止まらなかった


咄嗟に障壁を展開し、持ちこたえようとする


幸い、インプがモロに突っ込んだおかげで威力は低く、耐えられた


視界の炎が消えた後、司祭とインプが見え…


ーーやはりか…


折った筈のインプの腕が動いている


何より、炎に突っ込んだというのに火傷を負っていない


周囲には肉の焼けた嫌な臭いはするのに…




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