悪魔と天使とお嬢様
第1章 突然変わる日常
急な口づけに私は爆発寸前だった。
しかし早乙女は、そんな私をまったく気にせずに昼食の用意を華麗な手捌きで始めた。
「恵美様、どうぞお召し上がりください。」
早乙女はそう言うと、少し下がって見える位置で一礼する。
そのまま、こちらを見ている…
“…そんなに見られていると…食べにくい…どうしよう…”
「…あ…あの…早乙女…さ…ん」
「早乙女と名前だけで結構です。どうされましたか?」
「…あの…一人で食べたいのですが…だめですか?…」
少しの沈黙がドキドキする…
「…恵美様、それではドアの外に居りますので、御用の時はお呼びください。」
“…ふぅーよかった…見られていると食べられないよ…”
早乙女はパタンとドアを閉じて外に出た。