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零の大臣

第1章 零の帰還

「三重での戦闘は最初我々が優位で進んでいました、しかし途中反政府側に彼女が現れました。」

「例の静岡で我が軍を壊滅させたという少女か」

「はい、彼女には銃火器はもちろん並みの超能力者では太刀打ち出来ませんでした、そこで第十三位大臣『天霧 猟』が出たのですが……」

「敗れたと……」

「お恥ずかしながら。」

「それで天霧君はどうなった?敗れたとはいえ彼が簡単に死ぬとは思えないが?」

「命に別状はありませんが、敗れたことが気に入らないのかかなり荒れています。」

「まぁ天霧君は15才とまだ若い、能力は目を見張るものがあるがまだまだ精神的には脆いからね。しかし、これは少し……いやかなり深刻な問題だ」

「はい。」

「まさか大臣までもがやられるとは……これは彼女を無視はできないな。」

「私が出ますか?」

「ふむ、確かに片倉君ならば遅れをとる事はないとは思う……が、念には念を入れておきたい。」

「というと?」

「『彼』を呼び戻そうと思う」

「『彼』?……まさか……」

「そう、そのまさかだ」

「不可能です、戻るはずがありません!!彼は………」

緋山の話を聞いて先程まで冷静だった片倉だが一転して声を大きく上げ緋山の案を否定しようとしたが緋山は片倉の言葉を遮り話し出す。

「安心したまえ片倉君、手は既に打ってある。片倉君はとりあえず彼をここに連れてきてくれないだろうか。」

「…………わかりました。」

片倉は感情を押し殺し緋山の命令を了承した。
緋山は大丈夫と言っているが片倉には彼が緋山の言う事を素直に聞くとは思えなかった。なぜなら彼は緋山のやり方に嫌気がさしたので政府を去ったのだから………

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