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官能マシン

第1章 官能マシン

 信一は店員に携帯電話は必要ないと言って、壊れてしまったマシンを返した。
 機械が作り出した虚構とは言え、妻以外の女とSEXしたことに少なからず罪悪感を感じた。
「そうですか。相手は機械ですから難しく考える必要はないと思うんですよ。一人暮しのお年寄りや若者をターゲットに開発した傑作品です。3Pなんかも堪能可能ですし、いろんな男女との複合SEXや乱交パーティーもできますから。刺激的だと思うんですが? 返すなどとおっしゃらず、さっそく今晩あたり試してみたらいかがでしょうか? 装置一式を組み込んだ簡易官能マシンの周辺装置も取り扱っておりますからすぐお持ち帰りできます」
「やけに熱心だね。君は試したのかい?」
「ははは、私ですか? もうすっかりはまっちゃいましたよ」
 笑いながら店員は上着を広げた。何と上着には官能マシンがぎっしりと吊り下げられていた。店員の上着とズボンには官能装置の周辺機器が埋め込まれているらしい。
「実はわたしの分身にも特注官能装置を巻いているんですよ。へへへへ、お恥ずかしい。今では仕事中もこれを使っちゃって、もういつも行きっぱなし。最近ではすっかりやつれてきちゃいました」
 目の周りにクマを作った店員は、口からあごに掛けてよだれがたれていた。イシシシシと不敵な笑い声を上げるたび、あごから垂れたよだれが振り子のように左右に踊っていた。それがいつたれるか、信一は見入っていた。
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