ありすちゃんのえっちな受難
第1章 進級
私の席は一番後ろか。
席に着いてふと隣りの席を見ると男子が座っていてイヤホンをしてスマホをいじっている。
…あれ?
「……海地(かいち)先輩…?」
つい呟いてしまった。
すると私に気付いてイヤホンを片方外してこっちを見た。
「誰だっけ……?あ、ちょっと待った…中学の時話した事あるな?」
思い出してくれた!
「はいっ…中学の入学式の時に……あ……あの時はすいません……」
その時の事を思い出して私は顔を背けて自分の席に座った。
そうだ…あれは最悪の思い出だった。
入学式の時式中にトイレに行きたくなってしまって終わる頃には限界が来ていて、退場の時に列から離れて急いでトイレに向かった。
トイレの場所が分からなくて焦っている時に部活で来ていた海地先輩と遭遇して察してくれてトイレまで連れて行ってくれたけど、間に合わなくてトイレの前で思いっきりお漏らしをしてしまった。
その時にお漏らしをしてしまった事を他の人にバレないようにおしっこを片付けてくれたり色々してくれた……
関わったのはその時だけだったけど、優しくて格好良くてバスケ部の練習とかこっそり見ていた。
でも、夏休みを明けてから海地先輩を見掛けることがなくなった。
バスケ部の子に聞いたら転校したとの事でショックを受けた記憶がある。