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人身供物の村娘

第1章 年に一回の村祭り

以外な反応に、菊理はその場にただ座っているしかなかった。
その日は一睡もできずに朝を迎えた。

朝起きると、いると思っていた、以前までの供物として人柱となった女の子は、影もなかった。
部屋に入ってきた黒狐様に、菊理は
「以前までのおなごは、どこにいらっしゃいますか?」
そう聞いた。

黒狐は
「黙って膳を食え」
とだけ言って、朝ご飯を置いていった。
それは、村では食べたことのないような木の実や果物
それから魚で、どれも美味だった。
知らない食べ物だけど、どれも警戒なく食べれた。
いつの間にか、膳をすべて平らげていた。

食べ終えたころに、黒狐が空き膳を取りに来た。
そして、湯治場をきいて、湯あみに向かった。

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