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エッチに興味のあるお年頃なので

第2章 幼なじみ

「やっべ! 俺たちも急がないと! 玲奈、ついて来いよ」
方向音痴の玲奈の手を繋いで、俺はクラスへと急いだ。

 どうにか間に合って、一組から順に体育館に向かった。
 一年だからって別に入学式はしなくてよくね?

 俺は、早く入学式が終わらないかとソワソワしている。
 勘違いするな、トイレに行きたいわけじゃない。
 玲奈の柔かな手を握っていたら、なんだかもっと先を知りたくなってきた。
 親が教えてくれないコト、この歳って興味あるだろ?

 長い式が終わって、教室に戻ると真新しい教科書等を配分された。
 玲奈は、どこにいるのだろう?
 教室内を見渡しても姿がない。
 行事が済むとすぐに帰るところは、幼稚園の頃から変わってない。
 玲奈がいない教室に興味がなくなったので、俺も教科書等をかばんにしまうと、さっさと教室から出て行く。
 そもそも、教科書等置いたら後は自由って……この学校、かなりくそだな。 
 担任も見かけなかった。
 大丈夫かよ? こんな学校に寄贈品送った親って一体……。
 制服も、父のデザインしたモノだと聞いている。
 RYUZOと言えば、ブランドファッションで有名だ。
 そのRYUZOが、この学校の理事長と付き合い長いらしくて、学校立ち上げ当初から関係しているという事もあって、俺がその息子だと知る一部の女子から黄色い声が聞こえるのはそのせいか。 
 だが、あいにく俺は、そういう奴らに興味は無いし愛想を振りまく事はしない。

 俺が、ただ一人だけ心に決めている女がいる。
 その女が振り向いてくれるなら、それでいいと思ったがそれでは物足りなくなった。
 俺の隣で笑ったりして欲しい願望が、少しずつ強くなってきた。





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