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エッチに興味のあるお年頃なので

第2章 幼なじみ

 高校生活は、俺は楽しくないだろうなと思っている。
 家に帰って来たって、誰も家にいない生活は変わらない。
 テーブルの上に置き手紙とお金が置いてある。
 高校生の晩飯にそんなに使わないだろという金額だ。
 金持ちになると感覚が鈍るのだろうか。
 だからって、貧乏な生活はしたくない。

 近所のスーパーに、夕飯になりそうな弁当等を物色していると背後から声をかけられた。
「晋平、奇遇だな。俺も買い物なのだ」
「あっそ。そういえば、何組だった?」
「俺は一組だ。晋平たちは?」
「俺たちは三組だ。これにしよ。じゃあな」
 俺はハンバーグセットを、カゴの中に入れてデリカコーナーから離れる。

 簡単に買い物を済ませると寄り道をせずに、真っすぐに帰宅して軽くレンチンして弁当を温めた。
 飲み物も、スーパーで買ってきたソフトドリンクだ。
 このために三千円は多すぎだろ。
 俺は生まれた時から、一般家庭の生活水準がわからないから、一食に使う金額がどれくらいが妥当かわからない。
 俺が義務教育を終える頃から家政婦を雇うのをやめたから、母が仕事の日はこうして、一人で出来合いを買ってくる事が日課になっている。
 音が無いのは寂しいので、テレビを適当につけてBGMがわりにして出来合いを食べる。
 食事中にスマートフォンにメールの着信があった。
 誰だ? と思って開いてみたら玲奈からだったので、思わず飛び跳ねてしまうところだった。
 思いを寄せている相手から、何気ないメールが来るだけでも嬉しかったりする。
《あしたからお弁当でしょ? 晋平のとこはおばさんも忙しいから作る暇がないと思うの。でね、玲奈ちゃんお手製弁当を作って持っていくね~≫
 なに? あのマドンナが俺に弁当を作ってくれるだと?
 これは喜ばしい事なのか? 喜ぶべきだ。
 しかし、玲奈はまともに料理を作れた試しがないのだ。
 俺を実験台にするというのか?
≪玲奈の気持ちは嬉しいが、朝弱いから無理に作って来なくていいからな。俺はお小遣から出して購買で買うから、マジ気を使わないでいい≫
 俺にしては珍しく早く返事を返した。 

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