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蜘蛛女

第1章 蜘蛛女

「ではこれから夫婦の契りの儀を執り行います」
 女がそう言った直後、僕の胸ポケットに入っていたスマホの着信音が鳴った。音にあわてた蜘蛛女は暗闇に消えてしまった。フーーー 僕は大きく息をはいた。体をぐるぐる巻きに縛られた現状では、この状況が好転するとは考えられなかった。2時間ほど横たわっていたが、蜘蛛女は戻って来なかった。僕はとてもおしっこがしたくなり、我慢に耐えかね、ついに放尿した。すっきりして安心したら、蜘蛛女にかじられた体の痛みが心地よく感じられて、得も言われぬうっとりした状態に陥った。

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