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私淫らに堕ちます

第1章 出会い

 今から4ケ月前。赴任の挨拶を終え,緊張しながら階段を上り3年の教室に入ったとき,誰もいないはずの教室にいたのが彼だった。

 他の生徒たちは,クラス発表を終え,とっくに下校しているはずであるが,どうやら教室に残っていたらしい。

 それはこの日のように外から部活動生の声が聞こえてくる中,夕日を浴びてじっと外を見つめていた。

 みた瞬間はっとするほどの美貌で,思わず時が止まったのかと思うほど目を奪われてしまったのだ。

 黒髪にセンターパートの髪型は,今どきの高校生だが,夕日に照らされ,艶のある日本人のよさを凝縮しているような髪の美しさはよく彼に似合っている。

 切れ長の目に綺麗な鼻筋,そして整った顔立ちは,芸能人にもいないのではないだろうか。

 彼は,外から教室の扉を開けて入ってきた私にゆっくりと視線を移した。

 私と目を合わせるまで一コマ一コマがスローモーションのように感じ,どれもが憧れる映画のシーンとして映った。私は,恥ずかしさで視線を維持できず,とっさに逸らしてしまう。

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