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私淫らに堕ちます

第5章 ホテル②

体が熱い。彼と二人でいる状態に体を熱くさせているのかと思ったが,それでも体の火照りがたまらない。顔が紅い。

 いや,顔だけでなく耳の先まで真っ赤である。息遣いまで荒くなり,目元がとろんと潤んでいく。

 それだけであれば,風邪でも引いたのかと思うだけだが,体の奥底がたぎってしかたがない。性欲の高ぶりに,意思とは関係なく子宮がきゅんきゅんと疼いているのを感じてしまう。

 どうしてなのかしら。ただコーヒーを飲んでいるだけなのに…・。

「どうやら効いてきたようだね。」

 彼の言葉で思考が中断した。何がという疑問を投げかける前に,彼は言葉を続けた。

「先生のコーヒーに媚薬を入れたんだ。無味無臭だから,味や匂いでは全く分からないよ。でも効果は抜群さ。」

 媚薬と聞いて唖然としてしまった。まさか自分にそんなものを飲ませるなんて信じられなかった。

「どうして媚薬なんか…。」
投げつけるように相手に問いただした。

「先生が気に入ってくれると思ったからだよ。他にも持ってきたんだ。きっと似合うと思う。」
媚薬を入れたことに対して,悪びれたそぶりすらみせずに,そばに置いていたバックから取り出して見せ,魅惑たっぷりな笑みを向けてきた。彼の手にするものを見て,顔が引きつっていく。

「そっ,それは…。」
「うん?犬輪だよ。」
「何のために?」
「あはははは。それは,栞に着けるためだよ。当たり前じゃないか。」

 犬輪を…わたしに…・
ゾクゾクゾクッ
「そんなものつけるわけないじゃない。」
真っ赤な顔を怒らせて,キッと彼を睨めつけた。

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