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私淫らに堕ちます

第5章 ホテル②

 わたしはそんなもので喜ぶ女じゃないわ。人を馬鹿にしてる。

 脳裏に犬輪をつけた自分とリード紐をもつ彼を思い浮かべると,火照りがますます燃えさかる。体が自分の意思とは反対に,勝手に反応することに戸惑ってしまう。まるで自分の体ではないみたい。

あぁぁ・・・・熱い・・・・

「栞にはこれがお似合いさ。これからぼくらが会うときは毎回これをつけてあげるよ。うれしい?」

「うれしいわけないじゃない。そんなものつけて喜ぶなんて変態よ。わたしは変態じゃないし,二人で会うのもこれっきりよ。」

「変態ではないし,これっきりかーーー。それは残念。」

 少しおどけた口調や言葉の端々から,全くそう思っていないのが窺える。

 彼の顔には,残念という2文字ではなく,必ず自分の意思通りになるという自信が垣間見えた。

ハッッ   ハッ   ハッッ  ハッ
 口の中がカラカラに乾き,舌なめずりをしながら熱い吐息が漏れてしまう。

 先ほどの睨み付けるような瞳も長くは続かず,ドローンとした煽情的な瞳に変わっていた。

 額にはうっすらと汗が浮かび,体が異常に興奮している。悩ましいのは,今にも情欲が吹きださんがばかりに,体が疼くことである。

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