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私淫らに堕ちます

第7章 デート②

「ねぇ~,見て・・・・。綺麗。」

 窓から柔らかい日差しが麗香さんの顔に照らされる。夕日を向き,自然の作り出す美しい光景に感嘆の声を上げた。

 やや薄暗い陰にオレンジがかった暖色系の光が,美しい麗香さんの横顔をライトアップしたように感じ,その幻想的な映像美に息を飲んでしまう。

 この人はどうしてこんなに魅力的なんだろう。どうしてこんなにぼくをドキドキさせるのだろう。

 正直反則だと思う。ぼくの視界には,目映いばかりの愛おしき存在しか映りようがない。

 これからもずっとこの目は君を追いかけるだろう。そして,この宝物のような瞬間を一つ一つ胸の中に,大事に大事に積み重ねていくのだ。

「うん?何?」

 ふとぼくの方に顔を戻し,どうしたのかなって小首をかしげる。そして,無邪気に微笑む彼女に,ぼくのすべてがもっていかれる。

あぁ~,ぼくは彼女がいれば何もいらない

「何もないですよ。ずいぶん話し込んでしまいました。家で母が寂しがっていると思います。帰りましょうか。」

 そのままぼくたちは自宅に戻った。行きはあれだけ話をしたのに,帰りの車の中は,静かだった。でも,ぼくは,麗香さんがそばにいるだけで満足だった。ぼくは,きっとさっきの光景を一生忘れないだろう。

「ごめんね。ちょっと用事があるから,大学にいってくる。」

 そう言って,自宅の前にぼくを下ろし,去って行った。

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