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分け合う体温

第2章 隠れてキス

放課後。

教室の掃除を終えて、私はゴミ捨てに来た。

ゴミ捨て場は、学校の裏手にあった。

一人ゴミ箱を持って、校舎を出た。


その時だった。

「由乃。」

理人の声が聞こえた。

体がビクッとなって、周りを見渡すと、フェンスの向こう側に、理人がいた。

「理人。」

私は、フェンスに近づいた。

「何で、こんなところにいるの?」

「由乃に会いたくて。」


私に会いたくて?

ちょっとだけ、嬉しくなった。

けれど、直ぐに不安になった。

理人が私に会いたくなる時は、彼の身に、何かあった時だ。


「理人、何かあったの?」

「ううん。ただ、顔見たくなっただけ。」

「それなら、家に帰れば、会いたいだけ会えるじゃん。」

彼は、首を横に振った。

「家には、親父もお袋もいる。」

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