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分け合う体温

第6章 再開で

中には、小さな雪だるまとサンタさんがいて、ひっくり返すと雪がふわふわと落ちていた。

「これ、理人が気に入りそう。」

私がそれに、手を伸ばした時だ。


誰かが、私の指に触れた。

「すみません。」

謝った私に、相手の人は驚いていた。

なに?

その人を見て、私は目を疑った。


「理人……」

「由乃……」

あんなに求め続けた人が、目の前にいた。

「嘘……本物?」

「由乃こそ、本当に由乃?」

私達はあまりの偶然に、ぽかんと口を開け、しばらくしてそれが面白くて、お互いに笑った。


「なんだよ、由乃の顔。」

「理人だって……口を開けて、ぽかんとしていたよ。」

お互い笑い合って、分かった。

本当に探し求めていた人は、この人なんだって。

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