テキストサイズ

分け合う体温

第6章 再開で

「これ、買おうとしていたの?」

理人は、私が取ろうとしていたスノードームを、手に取った。

「うん。理人にね、プレゼントしようと思って。」

「えっ……」

理人の驚きに、私は目をパチパチさせた。

「……びっくりだな。さすが姉弟。思う事は一緒なんだな。」

「と、言う事は。」

「ああ。俺も、これを由乃にプレゼントしようと思ってた。」


胸に、温かい物が広がる。

同じ物を、相手にプレゼントしようとしていたなんて。


「これだけじゃない。毎年毎年、由乃にプレゼント買っていたよ。」

「私も。毎年理人に、プレゼント買ってた。」

それが嬉しくて、嬉しくて。

私達は、同じスノードームを買って、お互いにプレゼントした。


お店を出た後、ベンチに座って、二人で空を見上げた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ