テキストサイズ

【改稿版】ガーディスト~君ヲ守ル~

第2章 依頼人

 「君には素質がある」と言われたが、自分には他人の命を守れるほどの力も頭脳もない。ただこんな命でも役に立つのなら……という投げやりな気持ちで誘いを受けた。


「もうすぐ女性の依頼人が来るから、その無愛想な顔、なんとかしろよ」


 そう言って護は背伸びをすると、一服するために立ち上がった──その時。バタバタと外の階段を上がる音がしたかと思うと、中年の小太りの男が勢いよく事務所の中に入ってきた。


「乙姫はっ……乙姫はおるかぁ!」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ