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イラクサの棘

第16章 アナタニチカヅキタイ



潤におもいきり睨み付けられて
列車の個室内で言い争いになりかけたあの日。
あくまでも潤の個人的な見解だろなんて
無神経な言葉で潤を怒らせてしまった。

全てを諦めていた潤にとっては
久しぶりに自分の肉体、下腹部が
変貌することに戸惑いの方がおおきいだろう。


今度こそ潤の気持ちに寄り添ってやらなきゃ



「そっか、よかったじゃねえか。
日常を離れた旅先だし、
のんびりゆっくりできて、美味いモノも
新鮮なモノもたくさん食ってるしな。
潤の身体が健康的になってきる証拠だよ。」

「翔さん…そうだけど…
久しぶりだから。
どうしていいのか…困っちゃって
はぁ、っごめんなさい、ぁっ…ふぅ…熱い…」


艶っぽい溜息
口で呼吸する回復が増えてきてる。


「潤、先に風呂はいりな。
ゆっくり温泉の湯に浸かって
ちょっとリラックスしてこいよ。」

「ん、でも…翔さんは?」

吐息を漏らしながら捩らせる様に身体を
くねらせるのはなにかを隠す為なのか
抱き寄せた身体をそっと離すとうつむきながら、
両手で下腹部を隠す仕草をする。 




「あっ…ごめん、…はぁ
今も…少し…前が…膨らんできてるから…」


真っ赤に染まりだす耳
その様子は熟した果実の様でとても愛らしくて
かじり付きたくなる。

「潤も男だもんな、ごく普通の反応だよ。
俺はすこし時間空けてから入るし
なんなら、風呂場で抜いちゃてもいいぜ。」


ウィンクをしながら、あくまで自然体に
ごく健康的な反応なのだとさらりと
前の膨らみを撫でてやると

うっとりとした潤んだ瞳が、
ゆっくりと瞼を閉じ眉根を寄せながら
熱い吐息を漏らす様子に
おもわず
俺の下半身まで直撃をくらいそうになった。




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