イラクサの棘
第2章 プラン
目の前で、口一杯にパスタを頬張る翔さんは
同性の俺からみても、かなりのイケメンの部類。
待ち合わせ場所で、黙っている立ち姿に
遠目から女性たちが熱い眼差しを送ってるのも見た。
きっと女性にモテるんだろうな
「ん?なんか付いてる??」
「パスタのソースだよ。ほらここ。」
頼りになる一面はもちろん
こんなふうに
偶にみせる子供みたいな仕草や行動はより女性の心をくすぐったりしそう。
魚介類が好物らしく
この店のシーフードパスタは絶品だと無邪気に
喜ぶのを見るとここに連れてきて良かったと
素直に思えた。
注文した1.5人前をほとんど1人でたいらげてしまった。
「うんめぇ!
けど、暑ッ、やばい汗が」
まるでフードファイターみたいに
額からすごく大量の汗。
こんなに美味そうに食べてくれる人なら
手料理を振る舞うのもきっと楽しいだろうな。
大学生で始めたら一人暮らし
実家では料理なんてしたこともなくて
最初の頃はキッチンに立っても碌なものが
作れなかった。
けど、すぐに俺の部屋に転がり込んできた彼から
包丁の扱い方から野菜の切り方、
肉の下処理なんかを教えてもらって
ある程度の料理が作れるようになったんだ。