イラクサの棘
第19章 診療所
「もう、俺のことはいいですって。
潤がびっくりしてるじゃないですか。」
「ダァーハハハ!
こりゃ申し訳ねえな。
あ、経営学やら、ビジネスに関しては
エキスパートだけど
料理とか、恋愛に関してはど素人レベル
で不器用だから、安心していいぞ。」
「ど、ど素人!不器用…なんですか?」
「そ、恋愛に関してはからっきし、にぶいわ
度胸はねぇわだな。
まあ、騙されやすいだろうな。
あ、けどこいつ浮気とかはしねえタイプだわ。
ってか、出来ねーだろうな。」
「ちょっ待ってくださいよ!
個人情報漏洩ってか、それ侮辱罪でしょ!」
「なーに硬いこといってんだよ、
ジョークだよ、なあ、潤!
とにかく翔は頭が良くて根っこは
いいヤツってことだ。
だから、翔のことよろしく頼んな。」
「いえ、俺のほうこそ…
って言うか、俺なんか、特に取り柄とかも
ないですし、翔さんに不釣り合いだと…」
「ちょいちょい待て待て待て!
おまえ、マジでそんな事言ってんのか?」
「松岡先輩っ、声デカいですよ
潤は病人なんですから、
怒鳴りつけたりしないでください」
声の大きさに驚いて後退りすると、隣りに
座ってる翔さんが
俺を安心させるように肩を抱いてくれる。