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イラクサの棘

第19章 診療所




「あーー!すまん悪ぃな。
おまえなぁ、翔に選ばれてるって
ことは、おまえにかなりの魅力や
見込みがあるって事だぜ。
翔に、いい寄ってくるヤツらは五万といたけど
こいつが俺のところに一緒に連れて来た
相手なんて今まで居なかったからな。」

「…ほんとに?」

「ああ、そうだよ。
岡田先輩、長野先輩、松岡先輩
ほかの誰にも恋人とか、好きな相手を
紹介したことなんて一度もなかったよ。」

「よっ、お2人さん!
まあ、今夜はおとなしく寝て
明日熱が上がってこないなら
仲良くイチャイチャして良し!」


「イッイチャイチャって…そんな……」

「はあ?だから余計なお世話ですって!」



「おっ、真っ赤になってかわいいな潤。
医者の言うことしっかり守るんだぞ?
もし今夜翔に、襲われそうになったら
おもいきり蹴り飛ばしてやれよっ」


「松岡先生、診察ありがとうございました。
大丈夫です、翔さんは
絶対に襲ってきたりしませんから。」

「ほおおお、ずいぶん信頼されてんじゃん
まあ、とにかく気をつけてな。
これからの2人の旅が
あまーいハネムーンになることを祈ってるぜ。」


※ ※ ※



威勢の良い大きな声だけで
ひきはじめの風邪なんて
吹き飛ばしてくれそうな程エネルギッシュな人。


俺が知ってる翔さんはほんの一部分だけ
松岡先生の話を聴いてると
もっと翔さんのことが知りたいって
強く思えてきたんだ。



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