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イラクサの棘

第21章 微熱



「すこし食べてみるか?」

「うん。」

結局、潤が自分で食事の支度をして
俺はカーディガンを取りに行って
それを羽織らせて
冷蔵庫から梅干しを取り出しただけ。

「重病人じゃないんだもん。
熱はけっこう頻繁にだすほうだし
慣れてるから、大丈夫。」

それでも、茶碗一杯も食べずに箸を置いた。




「ごめんなさい。俺のせいで、翔さん
怒られちゃったね。」

「仕方ねぇよ。確かに抑えが
きかなかったのは俺だからな。」

「俺のほうでしょ?
でも、その後もいろいろ迷惑かけて
ごめんなさい。」

吐き出した精子を
ぜんぶ飲んでやってから顔をあげると
くたりとちからが抜けて脱力した潤 
額に触れるとかなり熱が上がってて
驚いた俺はさすがにパニックになりかけた。
宿泊手配してた宿はまだ2時間くらいの
移動が必要で、
この状態で連れて行くのは
さすがにヤバいだろう。
とりあえず乱れた着衣を整えて
ブランケットをかけて寝かせておく。



『もしもし、松岡先輩ですか?
さっきはどうも、はい。
ちょっとヤバい事になっちまって…
急遽、宿泊手配をお願いしたいんですが?』

どうせ電話がかかってくると思ってたぜと、
笑い飛ばしてきた松岡先輩。

管理を任せてるマンションの一室を
急遽、手配してもらうことにした。



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