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イラクサの棘

第23章 秘事2



「智とSEXしたのはあの夜一度きり。
あの夜って言ったって
実際智のモノは役に立たなくって途中で
萎えちゃたの。」

平然とした顔で告白してくる姉ちゃんが
たまらなく怖かった。



「でも、わたし産まれてくる子どもの
父親になる存在が必要だった。
誰でも良かった訳じゃないわ。
わたしが、智をえらんだのよ。」



「姉ちゃんっなにいって!!
それって、まさか?
晶のパパは智兄じゃないの?
ウソでしょ?」

身内だけのささやかなお祝い
病室で妊娠の報告を心の底から喜んでくれたおじさんと
涙を流してたおばさん。
孫の晶の誕生だって
2人ともめちゃくちゃ喜んで可愛がってくれた。


「智だってわたしと結婚できて、
晶だって生まれて、建前上、世間的には
親孝行できたことになったでしょ?」

「そんなの誤魔化しじゃないか!
人として、絶対やっちゃいけないことだよ?!」

パシッッッ!!

右の頬への平手打ち
きつい眼差しで睨み付けてくる姉ちゃんに
言葉を失ってしまった。


「雅紀、じゃああんたはナニしてたの?
泥酔した智が誘ったからって嫁の代わりに
なんでアンタが智に抱かれて
ケツにナニ突っ込まれて
アンアン女みたいに善がって喘いでたのよ?
しかも新婚夫婦のベッドの上でよ?
あんただって人でなしの事やって
偉そうなこと言わないで!」

「……………」


子どもの頃から
口論で姉ちゃんに勝てたことなんてない。

不倫相手の子を妊娠してて
別れる別れないで揉めて
堕胎を迫られてた時
ちょうど智兄が実家に戻ってきたそうだ。


全ての配役が揃ったところから
家族として狂った歯車がしずかに動き始めた。


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