イラクサの棘
第27章 引力
「おう、おめえら2人でイチャイチャ
仲良く買い物でもしてろよ。
俺は知り合いの店をちょっくら
のぞいてくるからな
あと、松岡先生の連れだって言えば
この界隈の店なら俺のツケで買い物できるしよ!
じゃあ、1時間後になっ」
オススメの店やらをざっと一通り説明して
くれた後は、お邪魔虫は退散してやるって
慌ただしく去って行った。
※ ※ ※
潤side
「フフっ松岡先生優しいね
俺らを2人にしてくれた。」
「んじゃいろいろ見て回るか!
ほら、潤、手だせよ。」
「え?なんで?」
「眼鏡ないと俺が見えなくって潤が迷子になるだろ?
ちゃんと手えつないでおくぞ。」
「でも、…翔さん
俺と、手を繋いだりして
恥ずかしいとか…ないの?大丈夫?」
「はあ??
なんで恋人同士だろ?
誰も俺らのことなんて気にしてねぇよ。
それに今日の潤、
パステルピンクのパーカー着てるから
俺らもカップルに見えるって。」
「うっうん。翔さんがいいなら…」
初めてだ。
こんな人通りの多い場所で
普通に好きな人と手をつなげちゃうなんて。
賑わう人混みは、たしかにものすごくて
手をつないどかなきゃ翔さんを見失いそう。