イラクサの棘
第28章 秘事3
「そっか、あそこの漁港なら朝イチだね。
ありがとうね、ニノ。
いっつもいいアドバイスしてくれて。
俺、2人を連れてドライブがてら
週末にでもいってくるね。」
「おう、だったら土産は酒だぞ。
間違ってもナマモノは買ってくるなよ!」
「クフフ、わかってるって!
ニノがお刺身とかナマモノが食べれないのは
残念だね。」
「ふん、別に。
おまえのハンバーグか海老ドリアが
食えりゃいいんだよ。」
「うん、分かった
今度はハンバーグドリアにするね」
「フン、品切れするなよ!」
「大丈夫、ニノの分は
ちゃんと取り置きしておくもん。」
遅めのランチにお店に来てくれて
ニノと一緒に俺もランチタイム。
あとで、智兄のところに持っていったお皿も
引き上げてこなきゃ。
ここ数日は食欲も落ちてて、お酒の量が
かなり増えてるから心配なんだけど。
でも智兄が深酒をすれば、
その…酔っ払ってる智兄から
求められる回数が増えたりするから…
偽りでも抱き合えるしあわせを感じる
俺にとっては複雑な気持ちかな?
いけないこと、ダメだって解ってても
智兄に抱きしめてもらえると、
キュンとしちゃうんだ。
この秘密はニノも知ってる。
でも俺のことを責めたり非難めいた事も、
苦言とかもなにも言ったりしない。
ただ、
どうしようなく苦しくなった時
黙ってその胸で泣かせてもらえるから、
俺はこうして日々をリセットできて
毎日笑顔で過ごせるんだ。
いきなり海外に留学したときだって
ずっとずっと連絡くれてて、
バースデーカードや手紙だって届けてくれてた。
ニノは子どもの頃からの俺の大切な親友。