イラクサの棘
第29章 こことは違う場所
雅紀side
「そろそろお土産物でも見に行く?」
「おう、まあ大して釣れてねえけど
このくらいならいいよな。」
「おさかなさん、ちゃぷちゃぷ
かわいく泳いでるねぇ、かあちゃんに
おみやげだねー」
「おう、晶。かあちゃんに見せてやろうな!」
「姉ちゃんなら
あら、美味しそうだわって言っちゃいそう。」
「そうだな、美也子も飲んべえだから
はやく捌いてくれって言うだろうな。」
「まーくん、とーちゃん
はやくーはやくーわなげするのぉー」
さっき迷子になった晶に
通りかがったカップルが声をかけて
くれて、俺を探す途中に輪投げまで一緒に
してくれて晶の面倒をみてくれた。
智兄にはごく簡単にそう伝えただけ。
晶が迷子になるのはよくあることだから
智兄もいつもの
ことくらいに聞き流してたみたいだ。
さわやかな青年は
おおきな瞳で知的な雰囲気を
漂わせてた
隣りにいたおねえちゃんって
晶が呼んでた人は
たぶん男性。
だけど、見惚れるくらいの美形で
すこしきつめの眼差しに、彫りの深さで
ハーフなのかもって思わせる
中性的な美しさを持つ雰囲気だった。
2人が並んでると
雑誌や、テレビの中から出てきたのかな?
って思わせるほど目立ってた。
最後に呼ばれた名前
だから俺は、どこかで見たことがあったんだ。
潤
智兄の心の中にずっと存在してる人
未だに意中の元恋人
その人が訪ねて来ないこと
その人となかなか連絡が取れないこと
智兄の憂鬱の原因
どうか来ないでほしい
このまま東京へ帰ってほしい
智兄に会いに来たりしたら
きっと智兄は…………
だから俺はさっき起きた出来事を智兄に
敢えて詳しくは伝えない。
「そろそろお土産物でも見に行く?」
「おう、まあ大して釣れてねえけど
このくらいならいいよな。」
「おさかなさん、ちゃぷちゃぷ
かわいく泳いでるねぇ、かあちゃんに
おみやげだねー」
「おう、晶。かあちゃんに見せてやろうな!」
「姉ちゃんなら
あら、美味しそうだわって言っちゃいそう。」
「そうだな、美也子も飲んべえだから
はやく捌いてくれって言うだろうな。」
「まーくん、とーちゃん
はやくーはやくーわなげするのぉー」
さっき迷子になった晶に
通りかがったカップルが声をかけて
くれて、俺を探す途中に輪投げまで一緒に
してくれて晶の面倒をみてくれた。
智兄にはごく簡単にそう伝えただけ。
晶が迷子になるのはよくあることだから
智兄もいつもの
ことくらいに聞き流してたみたいだ。
さわやかな青年は
おおきな瞳で知的な雰囲気を
漂わせてた
隣りにいたおねえちゃんって
晶が呼んでた人は
たぶん男性。
だけど、見惚れるくらいの美形で
すこしきつめの眼差しに、彫りの深さで
ハーフなのかもって思わせる
中性的な美しさを持つ雰囲気だった。
2人が並んでると
雑誌や、テレビの中から出てきたのかな?
って思わせるほど目立ってた。
最後に呼ばれた名前
だから俺は、どこかで見たことがあったんだ。
潤
智兄の心の中にずっと存在してる人
未だに意中の元恋人
その人が訪ねて来ないこと
その人となかなか連絡が取れないこと
智兄の憂鬱の原因
どうか来ないでほしい
このまま東京へ帰ってほしい
智兄に会いに来たりしたら
きっと智兄は…………
だから俺はさっき起きた出来事を智兄に
敢えて詳しくは伝えない。