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イラクサの棘

第30章 イトナミ



「おう、潤、おめえのだんな
今夜は寝かせてくれなさそうだそ!
いよっお熱いね、らぶらぶなお2人さん!」

「なっ、ちょっと翔さん!
2人でそんな話してたの?!」

「いや、だから違うって。
俺はすっぽんなんかに頼らなくても、
いつでもスタンバイ出来るって言っただけでさ。
それに潤が、俺のをめちゃくちゃエロ可愛く
カチカチのバッキバキにしてくれるもんな?」

「バカ!バカっ!もう知らない!」

真っ赤な顔して店から出ようとするから
松岡先輩に御礼を言って2人並んで歩いていく。




「ごめんって潤。マジで悪かったよ。
今夜のことが嬉しすぎて、
つい惚気ちまった。」

手を握ると、潤から指を絡めて繋いでくる。


「俺も、別に怒ってないよ。
ちょっと…恥ずかしかっただけだし。
それに、俺も…はやく夜が…来て欲しいもん。」



繋いでた手を離して潤の腰を抱くように
しながら駐車場の車へ向かった。


「ちょっと早めだけど宿に行くか?
いい天気だし、
海岸線をゆっくりドライブしながらだと
気持ちいいぞ。」

「うん、翔さんの運転上手だしね。
ドライブも気持ちいいけど
夜はもっと俺のこと気持ち良くしてね?」

助手席に滑りこむ潤の
蠱惑的な瞳の輝きは妖艶な色味を
含ませながら光ってる。


ふと、見るとバックミラーに映った人影
その必死な形相に一瞬、エンジンをかけるのを
ためらいかけたが
あまえるように俺の肩口にもたれかかる潤の
ぬくもりのおかげで車を発進させる事ができだ。


俺ら2人の今夜を誰にも邪魔させない。



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