イラクサの棘
第30章 イトナミ
「潤、おまえが愛しくてたまらない。
ほら、鼓動も心臓も潤っ潤って聞こえるだろ?」
「…フフっわかんないよ。
でもね俺も、翔さんのことが好きで好きで
好きだからこわくなる。
また好きになって…翔さんに捨てられたらって」
「大丈夫だよ。もう、契約済みだからな。
安心しろ、
俺とおまえは死が2人を別つまで一緒だからな。」
「クスクスっなに言ってるの。
翔さんってエッチすると永遠の契約になるの?」
繋がったままのピロートーク。
肉体だけ、快楽だけじゃなくて鼓膜からも
声を注ぎ込んで愛を刻みつけてやらなきゃ
潤の深い部分の傷は治してやれない。
「まさか、おまえサインしただろ。
あの契約書だよ。」
「はあ?うそ?あれは旅行の契約書で!」
上半身を起こしたタイミングで潤の後孔が
強烈なうねりで締め付けてくる。
「うぉっ!んな締め付けんなよっ
約款の内容よく読めって言ったよな?
細かなフォントだけどあの中の文言に、
この道中で2人が恋仲に落ちて
恋人同士になったあかつきには
2人は共に永遠に生きることを誓い合うってな。」
「うそ…知らないよ、そんなの…きいてないし
読んでないもん。
…だって、あの時は…だって…
まだ、なんにも始まってもないのに…」
「何度も潤に見せてた手作りのパンフにも
小さくだけど記載してたんだぜ?」
締め付けてきたお返しに激しめの抽挿を
おくってやると、俺の腹筋に両手をついて
動きを合わせてくる。
「ちゃんと、おっさんの前で
俺ら2人、署名しただろ?」
「ぁあ、翔…うん、先生の目の前で
書いた…んん…ぁんん…はぁ…翔っ」
「だからおっさんが立ち会い人だよ。
俺らの契約は無事締結したし
俺と潤はこうして、
愛し合えて潤の奥深くまで合体できてる。」