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イラクサの棘

第33章 シャボン玉

智side



「先生!あの、雅紀は?
あいつは大丈夫なんですか?」

「落ち着いてください、大野さん
大丈夫ですよ、
安定剤と睡眠薬を点滴してますので
目が覚めたらご自宅に帰れます。」

「じゃ、じゃあ、大丈夫なんですね。」

「はい、安心してください」



俺は…いったい
この後どうすりゃあいいんだ。
帰り時間が大幅に遅れること
帰りの車の運転だって
晶の事も、美也子に連絡しなきゃ


くだらない自分の願望を
口にしたばっかりに
雅紀をこんなにも動揺させちまった…



「はぁ、どうすりゃあいいんだ…」

いつもいつだって
雅紀がなんだって手伝ってくれて
さりげなくフォローしてくれて
雅紀が居ないだけで
こんなにも不安な自分がいてるんだ。


「大野さん
もし、良ければ相葉さんが
目覚めたら俺が、あの車運転して送りますよ。
ですから、ご家族へ帰りが遅くなることの
ご連絡をしてくださいね。
あ、夕飯もよければここで召し上がって
いってください。
あと、相葉さんですが、
明日のお仕事はおやすみされたほうが。
もちろん、念のためですよ。
一日ゆっくり休ませてあげてください。」






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