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イラクサの棘

第33章 シャボン玉




雅紀が以前
心療内科にかかってたことなんてちっとも
知らなかった。

風間先生が、以前勤めていた病院に
少しの期間だけ患者として通院してたらしい。


相葉雅紀の第一印象が先生の記憶の中に
残っていたそうだ。
もしかして
今でも病院に通院してたりするのか?
いや、雅紀が俺に黙ってることなんて
ある筈がないとおもってた。



個人情報のことなので
過去の通院履歴の内容は詳しくは教えて
はもらえなくて
家族ではなく、親族だけど同居親族ではない。

俺らの関係は嫁さんの弟で義理の兄弟。

こんなにいつも一緒にいる家族みたいな
雅紀のことを俺はどれだけ知ってる?


風間先生の指示通り
美也子に電話をして
ほぼ指示通りの内容を伝えてたら
気をつけて帰って来てねと電話が切れた。


実の弟の具合を
もっと心配しねぇのかよ!!

心の中だけでの悪態

あいつのほうが医療に関してはプロだから
通りがかりの医者が雅紀の具合を診てくれて
クリニックまで運んでくれて
すぐ傍に居て、処置までしてくれてる。
ある意味最高の偶然が重なったおかげで
雅紀の事を安心して任せておけるんだ。

美也子が冷静なのも
きっとそのせいなんだろう。




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