イラクサの棘
第5章 Journey
「先生、大丈夫ですか?」
「ああ、すこし疲れただけだよ。
だけどとても気分は良いんだ。」
「口うるさいのが傍に居ないからって
薬飲まないとかしないでくださいよ。」
先生の冷たい手が
優しく頭を撫でてくれる。
「潤、君はこれからもっと自由になるんだよ、
大丈夫。潤は必ずしあわせになれるよ。」
「先生?」
「さあ、もう行っておいで。
あの子はキッチリしてるが
せっかちさんだからね、僕のせいで遅れると
潤が責められそうだ。」
「そうですね、翔さんはとてもキッチリした
性格で、責任感もあるし。
けど、とても頼もしくてすごく細やかな
思いやりのある人だと思ってます。」
「そうかい。大雑把なところもあるが
面倒見はいいし、たしかに責任感は強いね」
「先生、翔さんを
紹介してくれて、ありがとうございます。
同年代で、こんな風にはやく打ち解けれるなんて、
正直自分でも驚いてます。」
「それは、よかった。
君たち2人の未来に幸あれだね。」
「アハハ、きっと野郎2人の珍道中になると
思いますけどね。
たくさんお土産買ってきます。」
「楽しみに待ってるよ
さあ、そろそろ行きなさい。僕も横になるから」
「はい、失礼します」